春、ピンクに染まる桜並木


 「桜が満開です」と山梨の友人から メールが入った。入学式や入社式の季節に、日本では桜が見事だ。咲き誇った桜に見守られ、 人生の新しい出発を迎えるのは、日本独特の風物詩であろう。

 ワシントンにも日本に負けない桜の名所がある。ポトマック川をはさんでワシントンモール周辺に、約3700本がある。1912年、東京市長がソメイヨシ ノの苗木を寄贈したことで有名だ。戦争による日米の敵対関係も乗り越え、守られてきた。四月中旬まで美しく咲き、「桜祭り」も盛大だ。

 私がこちらに来た五年前、日本から持参した桜の花柄の着物を着て名所を訪れ た。すると、観光客が近寄ってきて「一緒に写真を撮らせて」「日本の桜です ね」と声をかけられた。

ワシントン記念塔と桜



ロックビルの桜

 アメリカには「ジョージ・ワシント ン初代大統領が桜の木を切ったと正直に言った」という寓話(ぐうわ)がある。子どものための作り話だったようだ。当 時、アメリカに桜の木があったかどうか、定かではない。

 ワシントン郊外にあるわが家の周辺にも桜がたくさんある。10年前まで大きな農場だった町では、住宅建設時にたくさんの桜を植えた。直径20センチほど に 成長した桜は春、つぼみを膨らませ、一斉に咲き、ピンクに染まった桜並木となる。

 過日、私は近くの店でソメイヨシノの苗木を五本買い、家の庭へ植樹した。咲き誇るのを楽しみに、大事に見守りたい。


2008年4月23日掲載 
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