旧満州で現代中国を見聞


 4月に10日間、中国東北部(旧満 州)を夫と旅行した。旅の主な目的は終戦直後、父親が旧ソ連軍に捕まり、シベリアへ連行されて行った場所(チチハル)などを訪ねることだ。

 旧満州鉄道の駅内では、大型テレビが北京オリンピックの宣伝を流していた。列車は石炭やディーゼルを原動力に走っていた。旅の道々、乗り合わせた人々と たくさん話をした。ほとんどの人たちは、私たちが金持ちの韓国人と思ったようだ。みんな親切で、持参していた食べ物を振る舞ってくれた。

 車窓からは広大な風景が眺められた。昔、満州に住んだ人が「満州は真っ赤な夕日が西の空を染め る」と言った大地を見た気がした。父親も同じ風景を見たの だろう。

チチハル駅

七三一部隊博物館の入り口
 ハルビンで、旧日本陸軍「731部 隊」の跡地を見に行った。入り口で地元の観光客が長い列を成していた。その場所を知らなかった若いタクシーの運転手 は、私たちを誘導して列の先頭に連れて行った。割り込みである。困惑している私たちに、意外にも人々は親しげに話しかけてきた。日本人と分かっても同じ だった。

 街中は昔と今がミックスしたようだった。繁華街を行き交う人々は、ほとんどが携帯電話を所持していた。トイレは、自動的に流れる最新式のものから、地面 に穴を掘って上に板を置いただけのものまで、さまざま。牛や馬で畑を耕す人々の家にもテレビがあった。時代を飛び越えて、新旧が同居していた。

 広大な大地で暮らす人々は、素朴でフレンドリー、ハングリー精神も垣間見えた。若者は将来に希望を抱いている感じだった。父親が暮らした旧満州で、現代 の中国を見た。


2008年6月14日掲載  
目次のページに戻る