人は子どもを育て成長する

 「来月、赤ちゃんが来るのよ」。英語教室の先生がうれしそうに話してくれた。彼女は結婚して8年になるが、子宝に恵まれな かったので、養子を迎えることにしたのだそうだ。隣町に住む日本人の女医は同じ年齢の子ども二人がいるママである。彼女も子どもがなかなか授からず、数年 前、養子を迎えることにした。ところが、その手続き中に彼女のおなかに新しい命が宿った。女医夫妻は「天の恵み」と、二人の子どもを同じように育て、今に いたっている。

 アメリカでは、養子を迎え、育てて いる人は多い。著名人ではマドンナ、メグ・ライアン、ブラッド・ピット、シャロン・ストーン、スティーブン・スピル バーグ、ジョージ・ルーカス、トム・クルーズらがいる。アメリカで国内から養子を迎える場合、独身者、同性愛者、グリーンカード保持者も養子縁組ができ る。外国からは中国の赤ちゃんが多い。子どもにもっとも必要なものは「愛情」と「安定した生活環境」という考えで、養親への門戸は広い。ただし、お金と時 間、面倒な手続きはかかる。


トムクルーズとマドンナの養子 たち

 私が子どものころ、日本で養子の話はかなり身近なものであったように思う。やむを得ない事情も多かったので、養子には暗いイメージもあった。そのせいも あろうが、今ではほとんど聞かない。
 一方で、心配なのは日本の少子化現象。人口は減少の一途をたどっている。若者の結婚離れ、出産離れの傾向は強い。何がそうさせるのか。人は結婚して成長 し、子どもを育ててさらに成長していくはずなのに。今、本当の意味での「豊かな人生、豊かな社会とは何か」を考えるときなのではないか。


2008年3月9日掲載  

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