工夫欠く食品ピラミッド

 先月、アメリカの農務省からフードピラミッドの改訂版が出た。フードピラミッドとは「人は何をどれだけ食べたらよい か」という目安 を表した絵入りのグラフである。わが家で読んでいる「ワシントンポスト」にも1面トップで取り上げられていた。

 新フードピラミッドの特徴は、従来からのデータに加え、運動(エクササイズ)の必要性を提示していることだ。また、ウェブサイトで食事のアドバイスを受 けることができ る。ここまでは「さすがアメリカ。世界をリードする先進国だ」と関心させられる。





新フードピラミッド



旧フードピラミッド


 しかし、よく考えてみると、いくつかおかしな点に気付く。まず、アメリカでは新聞をとっている家庭は少ない。一般家庭のコンピューター普及率も30− 40%。低所得者層やメディアに関心の低い人こそ、健康ケアが必要であるケースも多い。

  そうすると、本当に健康ケアを必要とする人たちが新フードピラミッドを見聞きする機会はほとんどない。さらに、新フードピラミッドには食物のイラストがな くなった。六つの食品群を色分けして示しているだけで分かりづらくなった。運動の必要性は提示しているものの、カロリーを控えるよう促す具体的な工夫もみ られない。私は、新フードピラミッドが今後のアメリカ国民の生活に影響を与える可能性はほとんどないと思っている。

(2005年6月29日掲載)

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