人生再考
前嶋明美        

 私は54才で 再婚しました。相手はアメリカ在住者なので、私が仕事をやめてそこに渡りました。夫は日本人で公認会計士、彼も再婚です。2002年にお見合いをして結婚 が決まりました。現在、メリーランド州のロックビルに住み、2年が経過したところです。でも、私にとってここに至るまでには並々ならぬ努力と決断がありま した。この年令です。狂気の沙汰かと思われても仕方がないでしょう。「せっかく離婚して一人になれたのに、いまさら結婚なんて、また苦労することないで しょう」「教職を中途退職するなんてもったいない。日本の公務員は今がいちばん高給取なのに」「えっ、アメリカへ行く、永住だって、本気なの?」と、みん なびっくり仰天、信じられないと言っていました。しかし、母に「私が死んでからにしなさい」と、泣かれて反対されたのにはこたえました。

 思えば40半 ばを迎えた頃、私はふと立ち止まり考え込ん でしまいました。夫に失望し、二人の子供をかかえての別居 生活も5年が過ぎようとしていました。「私の人生って何 だったのだろう。このまま終わってしまうのだろうか」と。その時からずっと自分の生き方を再考してきました。これがまさにミッドライフクライシスです。やがて我子二人もそれぞれ独立し、私一人 になるとさらに「自分は何のために生きているんだろう、本当は何をしたいの?どうすればいいの?」と想いは募るばかり。そして、とうとう決断しました。や はり人生の最大の喜びは、愛する人と共にいきること。私はそれ以外何もないと思いました。それから真剣に相手探しをはじめたというわけです。

 ところが、こ の歳で結婚相手を探すのは非常にむずかしい。「この人なら!」と思う人はたいがい既婚者です。同年代の独身男性はそうはいません。職場のリ ストを調べたり世話好きな人にお願いしたりしたのですが、どうもしっくりこない。そこで気づいたのが独身男性には3つのカテゴリーがあるということです。 @結婚したことのない人A離婚している人B妻と死別した人です。そしてまた気づきました。これらの独身男性はたいてい問題ありということです。@は、この 歳まで未婚ということは何か問題ありA離婚の原因はたいてい男性側にあるBは死んだ妻は美化されるということです。ということは、相手を選ぶどころか相手 がいんちゅうこんじゃん いない ということじゃないの 甲州弁)。

 そこで考えた のが「結婚情報センター」それも世界中の会員を持つという会社へ高いお金を出して登録しました。今やネットの時代、地球の裏側でも瞬時にコ ンタクトできるし、1日あればどこだって行くこともできる。こうなったら大きくいこう。世界中からならぴったりの相手がいるだろう。外人だっていいじゃ ん、、。そうして、厳しい条件をクリアして現れたのが今の夫なのです。

 人は宇宙、地 球から生まれ、そして、そこに戻ります。かけがえのない生命、悔いのない人生でありたい。人生80年の時代を迎え、新しいライフステージが 目前に開いています。人生死ぬまで現役です。これまでの経験はどんなことでも活かせるはずです。これからも生命のある限り、納得できる自分らしい人生を精 一杯生きようと思っています。

(2005年7月)

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