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関わることの大切さ
「ど
うですか、インフルエンザは?」校長が入ってきた。保健室を通りかかると必ず寄って声をかけてくれる。「あっ、校長先生、ちょっとお時間ありますか」と、
お茶でも飲みながら話をする。生徒のこと、先生のこと、たまには「昨日はお袋に泣かれちゃって、、」などと家庭秘話も飛び出す。校長は本校に3年目、今年
の3月で定年退職される。あとわずかで長い教職生活にピリオドを打つ。しかし、校長のお顔はすがすがしい。
3年前のことが思い出される。社会が変わり、生徒たちも変わった。授業妨害、不登校、ピアス、茶髪、タバコ、シンナー、、、、。そして、退学者の急増。保
健室も大勢の生徒でごったがえしていた。教室にも行かず、長時間居座っている者も少なくなかった。「学校がつまらない」「やめたい」「親は信用できない」
「いじめられてる」、、、、。とうとう退学者が一クラス分程出てしまった。
そ
んな時、校長が赴任してきた。「先生方に奮起してもらうしかありません。みんなで徹底的に生徒たちを見てあげるんです。」そして、完全二人担任制の導入、
他、各学年に生徒支援部の教師を3人ずつ配置した。さらに、保健室、教育相談部門を拡充し、徹底して生徒との関わりを充実させた。「担任は初めての経験で
す」と、ベテランのT先生は戸惑う。「大抜擢です、期待していますよ」校長にそう言われてはやるしかない。連絡会議を何回ももった。保健室では授業中も生
徒を呼んでカウンセリングを続けた。校長室からは生徒と真剣に話す校長の声が聞こえた。
そうして、1年が経過した。生徒が変わってきた。生徒指導措置を受けた生徒、そして退学者が昨年の半分に激減。保健室の来室者も昨年の半数になり、本来の
静けさと落ち着きを保っている。
校
長は体育教師で、高校サッカーでは全国に名声を博した名監督でもある。2月下旬に行われる予餞会には校長の特別講演を予定している。「監督時代はいかにし
たらこの選手をものにできるかなんてことばかり考えていたよ」と言っていたのを思い出した。予餞会にはきっと感動的なお話を聞かせてもらえるだろう。
(2003年2月
掲載)
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