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活気あふれる新学期
新学期が始まった。始業式、入学式と恒例行事が続き我が高校も急に活気づいてきた。真新しい制服に身を包み、ちょっと緊張した表情の新入生、少し大人びた
2、3年生。新年度のこの時期は何ともいえない雰囲気がある。
きょうは対面式。2、3年生が新1年生を迎え、お互いに顔見せする行事だ。保健室前の廊下は式場に向かう生徒たちでざわめいている。こういう時、用もない
のに必ず保健室へ立ち寄る生徒たちがいる。今年も新3年生たちがぞろぞろ入ってきた。「先生、お久しぶり。俺に会いたかったら」「俺、進級できて良かった
よ」「今度来た先生、何ちゅう名前?」「この頭、頭髪検査でひっかかるかなあ」「俺バイトしまくって金かせいださ。えらいら」。皆、次々と話しかけてく
る。「はいはい、そう、ふーん」。ついつい乗ってしまう。あっという間に保健室は生徒たちで一杯になった。「さあさあ、これくらいにして早く行きなさい。
式が始まっちゃうよ」と体育館へ追い立てる。今年も「いよいよ戦いが始まった」と実感させられた。
放課後、やっと静かになった。すると、入り口に立っている生徒に気づいた。「びっくりした。雅史じゃない」「決めたよ。ヒデの曲にする」「そうか、練習は
じめたんだ。頑張ろうね」雅史は2年生。いつも知らぬ間に入ってきてソファーにじっと座っている。昨年の6月頃から保健室に来るようになった。クラスにな
じめない、家庭が嫌だなどと訴え、欠席も多かった。話を聞くうちに、ピアノが得意で発表会に出た経験もあることがわかった。「学園祭で文化芸能発表会を予
定しているんだけど、ピアノで出ない?」ともちかけると「うん、いいよ」とまんざらでもなさそう。その後も、「先生、学園祭はいつ?」とか「音楽室のピア
ノを借りたいんだけど」と話しかけてくる。学園祭は六月。担当顧問になった私はさらに3組の出演者を発掘した。ギターの弾き語り、バック転、ブレイクダン
スの特技を持った生徒たちだ。これから打ち合わせや練習で、放課後も保健室はにぎわう。
(2001年4月掲載)
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